漢方の「冷え症」の考え方

タイプに合った漢方薬と、外的要因を見直すことで改善します。


漢方では、冷え症は外因と内因が絡み合って起こると捉えています。

【外因】

漢方で「外邪」と言われ、自然の気象条件が病気になると考えるものです。冷え症の場合、「寒邪」(寒気)と「湿邪」(湿気)などによる影響が大きいと考えられます。また、人為的な外邪、すなわち薄着、ミニスカート、冷房などの要素が加わります。
※薄着など自ら冷え症の原因を作り出している人は、直ちに改めましょう。腹巻で体調が改善する人も多いですよ。

【内因】

内因には4つのタイプがあります。

(1)全身的な冷え(腎陽虚)精

新陳代謝が低下しているために、体が温まりきれない状態。からだ全体に冷えが起こり、青白い顔をしている人が多い。

(2)水毒による冷え(痰湿)水

からだに余分な水分が滞っているために、その水が冷えを起こすと考えられ、胃腸の働きが低下し胃下垂などが見られる人に起こりがちです。

(3)瘀血による冷え 血

新陳代謝は正常で胃腸は丈夫だが、便秘の女性に多い冷え症。瘀血とは全身を巡る血(現代医学でいう血液とは一致しませんが、血液に類する栄養分をさします)が、停滞した状態のこと。この状態が様々な不調を招く原因になる。
瘀血のある人は、下腹部を触ると抵抗感と痛みが感じられますが、手足が冷えるのが特徴です。

(4)気逆による冷え 気

体内を巡る萎(一種の生命エネルギー)が逆流するために起こるもの。
足が冷えるのに、首から上がのぼせるのが特徴。

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