漢方の「高血圧」の考え方

外からの影響よりからだの体質を重視

西洋医学では、血圧がある程度以上に高くなると、降圧剤(血圧を下げる薬)を用いて、血圧を正常範囲にコントロールする治療が行われます。 しかし、漢方には、降圧剤のように、強力に血圧を下げる薬はありません。血圧を強引に下げるのではなく、自覚症状を改善することを目標に行います。

症状で高血圧のタイプを分類

漢方では、現れている症状から、高血圧の原因となっている「気・血・水」の乱れを探っていきます。例えば、イライラ・不眠・頭重感が伴う高血圧は、気の上衝に原因があると考えます。生命エネルギーである気の状態が落ち着けば、これらの症状は改善されてきます。

のぼせ、ほてり、頭痛などがある場合には、血の滞りである「瘀血」があると考えます。漢方でいう「血」は、血液だけを意味するものではありませんが、血流が悪くなっているために、それを回復させようとして血圧が高くなっているのだと考えてよいでしょう。

息切れ・顔色が悪いといった症状がある場合には、血の不足である「血虚」が考えられます。血液が不足している貧血傾向があるので、全身に十分な血液を送るために血液が高くなっていると考えます。むくみ・めまいなどがある場合には、水の滞りである「水湿・痰湿」が原因になっていると考えます。からだの中に余分な水分がある為に、血圧が高くなっているのです。

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