漢方の「アレルギー性鼻炎」の考え方

外からの影響よりからだの体質を重視

アレルギー性鼻炎は漢方的に解釈すると、花粉やハウスダスト(ダニやほこり)などの原因と、体質的な素因である内因が絡み合って発症すると考えられます。
外因とは外的環境の変化による病気の原因のことです。花粉などは風に舞ってからだに侵入していきますので、外因の中でも「風邪(ふうじゃ)」と捉えられています。一般的に漢方的には内因を外因よりも重視してます。

水の偏在を調整し、水毒を治す。

漢方には、アレルギーという概念は存在しません。しかし、主症状である鼻水、鼻づまりは水分の異常である為、水毒の1つとして考えられています。漢方では、からだ全体の水分調節は、肺脾、腎などの臓器の作用によるものとされています。これらの臓器のうちの1つが悪くなると、体内の水分の分布、排泄がうまくいかなくなり、水分がからだの一部にたまってしまい(水滞)、水分代謝障害として鼻水、鼻づまりが発症すると考えます。
もう1つの主症状であるくしゃみは、水毒だけでなく「気の上衝」も原因と捉えます。気(目には見えない生命エネルギー)の巡りがおかしくなり、気が体の上に水を押し上げることでくしゃみがおこります。そのため、アレルギー性鼻炎には、水の異常だけでなく、気の異常も加わることがあります。また、からだを冷やすことは、症状を発症しやすくしてしまうので、日常的にからだを冷やさないようにすることも大切です。
上記のように、アレルギー性鼻炎には水と気の問題が絡んでいますが、治療には主に、水の偏在を調整し、水毒を治す各種の利水剤が用いられます。

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